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森林協働プロジェクト
ー森林活用に向けた
科学-実務-政策のニーズを探るー
成果報告シンポジウムのお知らせ
「森林の多面的機能に関するアンケート成果報告シンポジウム
~森林活用に向けた科学ー実務ー政策のニーズを探る~」
要旨
日本の国土の約7割は森林で覆われています。森林の有する多面的機能は、よく知られている木材生産や地球温暖化防止だけでなく、国土の保全や水源の涵養、人間の文化や健康に対する効果など多岐に渡ります。森林の多面的機能の恩恵が国民に広く行き渡る適切な森林管理を推進するために、2019年には市町村による森林整備の財源として森林環境譲与税が開始されました。そして、2024年からは私たち一人ひとりから年に1000円を徴収する森林環境税が開始されます。
森林の多面的機能を効果的に活用するためには、科学的知見に基づいた政策決定や実践が重要です。科学的知見は政策や実践の有効性を客観的に説明するだけではなく、それらを再考する際にも役立ちます。また、一般化された学説や知識はもちろん、在来知のような地域に根付いた知見も考慮する必要があります。したがって、森林の活用に向けては、研究者や技術者などの科学側の職種のみならず、森林に関わる様々なステークホルダーとの協働が鍵となります。
森林における協働では、研究者(科学的知見を提供する者)、実務者(科学的知見を現場に適応させる者)そして、政策決定者(科学的知見に基づいた政策を立案・運営する者)が足並みを揃えることが求められます。しかしながら、研究成果が実社会で活用されない「研究と実践の隔たり」が存在することがわかっています。これを克服する第一歩として、ステークホルダーが森林の多面的機能のどの部分に関心があり、どの部分での取り組みを望んでいるのかを明らかにする必要があります。さらに、科学的ステークホルダーが科学的知見の利用のどこに障壁を感じているのかも知ることが重要です。
そこで、2021年春に始動したのが森林協働プロジェクトです。科学ー実務ー政策の立場における認識が明らかになり、より効果的な協働が普及することで、日本国内の森林の利活用・管理が向上することを目指しています。本プロジェクトでは、森林の多面的機能を「木材生産」、「水土保全」、「野生動植物保全」、「地球温暖化緩和」、「健康・教育・文化」の5つに分け、それぞれのテーマでチームを編成しています。各チームには、研究者・実務者・政策決定者の立場にあるメンバーが所属し、計34名のメンバーが携わっています。
このシンポジウムでは、2部に分けて森林の多面的機能に対するステークホルダーの認識について多角的に考える場にしたいと思います。第1部では、多面的機能の定義、森林に関わる近年の動向について紹介し、研究、実務、政策などの様々な形で森林に関わる方々を対象に、2021年12月に実施したウェブアンケートの成果報告を実施します。次に、北海道から沖縄県まで947名ものアンケート回答者から得られた知見を活かす場として、人や社会にとっての森林の価値を明らかにし、森林との持続的な相互関係の再構築を目指すプロジェクトについて紹介します。第2部では、研究者や実務者として、それぞれが異なる形で森林の多面的機能に関わっている森林協働プロジェクトのメンバーから、多様なトピックで話題提供します。
開 催 日 時
2024年2月21日(水)13:00-16:50
開 催 方 法
オンライン(Zoom, ウェビナー)、
プロジェクト関係者のみ対面
内 容
13:00~13:10 趣 旨 説 明 鈴木紅葉 東京大学先端科学技術研究センター
第1部 森林の多面的機能へのニーズと価値を考える
13:10~13:30 森林の多面的機能の発揮に向けた森林計画 溝上展也 九州大学農学研究院
太田徹志 九州大学農学研究院
13:30~14:00 全国947人のアンケート結果からわかった森林の
多面的機能に対するニーズ、研究と実践の隔たり 鈴木紅葉 東京大学先端科学技術研究センター
14:00~14:40 森林の価値とは―森と⽣きるひとと社会の未来像― 大手信人 京都大学大学院情報学研究科
14:40~15:00 休 憩
第2部 森林の多面的機能を多様な視点から捉える~研究者・実務者による話題提供~
15:00~15:20 森林技術者の科学的知識へのニーズ 相川高信 フォレスター・ギャザリング
15:20~15:40 森林の多面的機能発揮に向けた撹乱レガシー管理 堀田 亘 北海道大学大学院農学院
生態系管理学研究室
15:40~16:00 多面的機能に配慮した"造林"の社会実装に必要なこと 中間康介 (一社)社会実装推進センター
株式会社GREEN FORESTERS
16:00~16:20 幼児期の自然体験がもたらす効果 藤井徳子 金沢学院大学教育学部
富山森のこども園
16:20~16:40 人工林で生物多様性を保全する意義・方法 河村和洋 森林総合研究所野生動物研究領域
16:40~16:50 閉 会 挨 拶 太田徹志 九州大学農学研究院

定 員
オンライン: 1,000 名
申 込 方 法
参加される方は下記「申込みフォーム」よりお申し込みください。
【申込み期限】 2024年 2月 18日
■ 共 催 ■
RENKEI 日英大学間連携プログラム、東京大学先端科学技術研究センター、森林協働プロジェクト、
総合地球環境学研究所 環境文化創成プログラム予備研究「森林の価値とはー森と生きるひとと社会の未来像ー」
■ 後 援 ■
日本生態学会、日本森林学会
お問い合わせ
森林協働プロジェクト事務局
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